はんなりProgrammingの会月報

はんなりPythonの会の活動についてお知らせします

はんなりPythonでの3年間 ー 個人の振り返り by TyaoiB

出遅れてしまいましたが、この記事ははんなりPython Advent Calendar 2020の12日目の記事です。

はんなりPythonの会への初参加は第2回2018/01/19かその次の第3回あたりなので、まる3年、運営に入って1年経ったことになります。この間の参加回数は47回、発表は15回、数だけ見れば1/3で発表したことになります。運営として初参加の今年は、運営の@masayuki14さんが既に触れたように50回を超えるイベントが実施されました。うち11回は自ら企画した本会初の読書会なので、運営としての義務をとりあえず果たせたかなと思います。

そもそもなぜ参加しようと思ったのか? − もはや定かではありませんが、たまたま或るバイオインフォ系新刊書の1日読書会開催を知る→ Connpassの存在を知る→ いろんなコミュニティーがあるのを知る→ 一人でやってきたが色々知るには手っ取り早かろう→ 仕事帰りに立ち寄れそうなところを探す、という感じでたどり着いた先がはんPyでした。そういえば1年ほど前、ウエット系からドライ系に路線変更して活躍されているバイオ系研究者の方と話をしていると最初は市中のコミュニティーに参加したりしながら、知識やスキルを自ら磨いていたと仰っていました。

Dr. Bonoの生命科学データ解析

Dr. Bonoの生命科学データ解析

  • 作者:坊農秀雅
  • 発売日: 2017/09/29
  • メディア: 単行本

1年目に初めて発表した回では、先の1日読書会に参加された他大学の先生と偶然”再会”し、Pythonをどうやって勉強したら良いかと尋ねられました。これをきっかけに、本会とは別にPythonの基本を学ぶハンズオン輪読会を始め、”Python for Biologists”, “Advanced Python for Bioologists”という生物系の人達向けの学習書(英語)2冊を、学部生、大学院修士の人達を交え月2回約1年で読了しました。

Python for Biologists

Python for Biologists

Advanced Python for Biologists

Advanced Python for Biologists

  • 作者:Jones, Martin
  • 発売日: 2014/01/17
  • メディア: ペーパーバック

学生さん達も、課程外で、原書を2冊完読する初めての経験には手応えを得たようでした。中には本の中の演習問題をヒントにPythonでシミュレーションした結果を修士論文の一部に使った人もいました。ハブになることは、はんPyの4つの目的のひとつなので、私のこうした体験はこの会のひとつの成果といえるでしょう。ちなみに、自分も学生さんもこの本は生物系の人には学び易いという実感をもったので、入門書も今更感はあるけれど、翻訳本にしてみたいと未だに思っています。この年は他に、スクレイピングの方法を学ぶきっかけを会で得て、仕事で情報収集する際に時折活用しています。はんPyに参加していなければ、わざわざ覚えようとも思わなかったでしょう。

2年目は発表機会もほぼなく個人として会で積極的に何かをやったということはありません。ただ、運営の@OgawaHideyukiさんが、この年からデータ可視化について手をつけられ、今年の活発なオンラインでのhands-on活動や12月の本の出版につなげられました。

そうした流れは、Pandasなどの利用により私の中で脱エクセル化は本格的に推し進めてくれました。データ可視化のスキルの必要性はバイオ系ではこれからどんどん必要になります。実際今も、様々な工夫を凝らしたグラフが特にゲノム系の論文で掲載されない日はありません。どのようにして描いているのか?と思うものも多々あります。インタラクティブなものは研究室でのディスカッションに必須になると思います。中々、可視化hands-onにはスケジュール的に参加できなかったのですが、心理的障壁を下げ、まずは何を覚えれば良いかを示してもらったことは大いに助かります。

3年目の今年は、オンラインの便利さと参加者の広がりを実感しました。時に通勤電車の中からも参加できるのは助かります。hands-onでは実地よりもオンラインの方が書くことに集中できたのも発見でした。今年はじめのサイゼリアミートアップから継続に不安を持ちつつも運営に参加しましたが、大いに助けてくれたのがオンライン化でした。おがげで冒頭で触れた本会初の読書会を企画・実施することができました。取り上げたのは今年出版された「ゼロから実践する 遺伝統計学セミナー 〜疾患とゲノムを結びつける」というhands-onもまじえた本です。

普段の会とからはかなり外れた内容ですが、@masayuki14さんから自分でやりたいと思うことをしないと続かないというアドバイスは当を得たものだったと思います。腹づもりとしては生物系界隈の人がそこそこ入ってくることを狙っていたのですが、蓋を開けると全く逆でした。これは予想外で、数回を経て毎回私だけが発表者という講義みたいになる一方、十分な準備をできず、毎回消化不良の方も多いのではないかと申し訳なさも感じた次第です。それでも最後まで異分野の方達が完走されたのはすごいなというのが、正直な思いです。読書会を始めるときはコアメンバーを3−4人集めてからスタートした方が良いという教訓にもなりました。

今年のはんなりPythonは、すべてに参加する必要はないという前提のもと、色々な企画を立ち上げることにより、「幅広い人が集まり交流を生む」という目的を達成できたと思います。一方、運営の力がないと虻蜂取らずになる懸念はあります。しかし、オンライン化は運営参加者を増やしこの懸念に一定の解決をもたらす手段のように思います。